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黒 歴 史

第5章 Friend.

第27話「Cafe」

2台がPAに入り、戌鷲のFCも入ってきた。

空「やはり、見逃してはくれなかったか…まさかあそこをずっと狙ってたのか?」

風間「ずっと、という訳でも無いがな。低速ターンの続く前半は苦手そうな部分が無かったから、後半の高速区間が弱点じゃないかと…そう読んだんだ」

空「なるほどな。流石に手強いぜ」

彼は苦笑いしながら言った。

空「師匠が言っていた通り、俺は高速コーナーが苦手だったって事か…」

風間「師匠?」

空「同じランエボ乗りの走り屋だ。エボの乗り方や静岡の攻め方を一から教えてくれたんだ」

風間「なるほどな…」

空「あの人にアンタの事話したら興味持ってくれると思うぜ」

風間「そいつは楽しみだ」

空「さて、それじゃあ俺は行くよ。また会えたらその時な」

風間「ああ」

空はエボに乗り込むと4Gサウンドを響かせて消えていった。

戌鷲「また相手が増えたな」

風間「そのようだ」


翌日。その日は日曜日だった。

昼過ぎ、家に居た直人の所に電話が掛かってきた。

直人「ん?涼子からだ…」

彼は電話に出た。

直人「何だ?涼子」

川奈『よっ。今日暇?』

直人「俺は暇だが。仕事休みだし」

川奈『あ、じゃあ優幸も?』

直人「ああ。家でのんびり炒飯でも食ってんじゃね」

川奈『良かった。それじゃあ今から2人であたしんちの近くのカフェに来て』

直人「…何で」

川奈『最近走ってばっかだしさ…たまにはのんびり話したいじゃん』

直人「あぁ…俺は別にいいけど。とりあえず優幸も暇だったら連れてく」

川奈『ありがと。じゃね』

直人は電話を切り、ガレージに歩いていった。

シャッターを開け、S15に乗り込んで家を出る。

そして彼は優幸の家へ向かっていった。


優幸の家。

直人はその前に車を停め、インターホンを押した。

すると、優幸が食べかけの炒飯が盛られている皿を片手に出てきた。

直人「うゎ、本当に炒飯食ってやがった」

優幸「よっ、何しに来た?炒飯欲しけりゃやるぜ。まだ残ってるから」

直人「いや別にいいよ…昼飯食ったし」

優幸「で、用件は?」

立って炒飯を食べながら優幸は聞いた。

直人「涼子から呼び出しだ。あいつの家の近くのカフェに来いって」

優幸「カフェに?何でまた…お説教タイムか」

直人「のんびり話したいからとか言ってたぞ」

優幸「あぁ、分かった。ちょっと待ってろ、すぐ炒飯食うから」

そう言って彼は残りの炒飯を全部食べ、皿を台所に置き、インプレッサのキーを持って出てきた。

優幸「さて、行くか」

口の中に炒飯を入れたまま、もごもごと言った。

直人「食いながら喋るな」

2人はそれぞれの車に乗り、カフェに向かった。

第28話へ続く。



第28話「雑談」

川奈の家の近くにある喫茶店。

駐車場には既に川奈のS2000が停まっていた。

直人と優幸がその横に車を停めて、降りた。

優幸「涼子の奴、もう来てたんだな」

直人「ああ」

2人は店内に入る。すると、カウンター席に川奈が居た。

川奈「あ、来た来た」

店員「いらっしゃいませ」

川奈の隣に直人と優幸は座った。

店員「何にしますか?」

直人「俺はいつもので。優幸は?」

優幸「えーっと…じゃあ卵サンドとコーヒーかな」

店員「かしこまりました」

優幸「で、何でここに俺達を呼び出したんだよ。涼子」

川奈「直人から聞いてないの?ゆっくり話したいじゃん」

彼女はショートケーキを食べながら言った。

直人「だそうだ。優幸」

優幸「チッ。だったら中華料理店にでもしてくれよ」

川奈「ラーメンとか太るから」

優幸「俺が食いたいのは炒飯な」

川奈「知ってるわよ」

優幸「ところで、前から気になってたんだけど、お前のS2000って何処でチューニングしてんだ?」

川奈「直人のトコだよ。峠のすぐ下だし、結構いいもの揃ってるしね」

直人「親父のチューンのウデは半端無いからな」

数分間彼等は雑談をしていた。

店員「チーズケーキとカフェオレ、卵サンドとコーヒーになります」

直人「どうもです」

優幸「おっ、美味そう」

彼はコーヒーに砂糖を入れて飲み始めた。

すると、店内に2人の男が入ってきた。

直人「あれは…」

第29話へ続く。



第29話「再会」

店員「いらっしゃいませ」

2人の男は直人達の方に歩いてきた。

???「ぉ?そこにいんのは直人に涼子じゃねーか!久しぶり!」

直人「太田と隠岐か!久しぶりだな!」

優幸「…俺は…?」

???「何だ、いたのかよお前。いらねぇ帰れ」

優幸「お前に言われたかねーわ、太田」

店に入ってきた男は太田 将一と隠岐 京介。いずれも直人達の幼馴染である。

太田が川奈の隣に、隠岐がその横に座った。

店員「何にします?」

太田「俺はツナサンドとカフェオレにすっかな…隠岐は?」

隠岐「コーヒー」

店員「かしこまりました」

店員が戻っていくと、川奈が言った。

川奈「久しぶりだねー、ホント。中学卒業してから二度と会わないって思ってたけど」

太田「何?俺等からそんなに離れたかった?」

川奈「当たり前じゃん。隠岐は別にいいけどアンタは特に」

太田「うわー、超ストレートに言ってきやがる。傷ついたー」

優幸「そうは見えねぇけどな」

直人「それにしてもここでお前等と会うとはな…」

隠岐「中3以来か。久しぶりだ」

優幸「で、そっちはどうだ?元気にやってるか?」

太田「あぁ、見ての通り元気だぜ。うへへ」

隠岐「コイツは元気すぎるんだよな」

川奈「だねー。もう黙れよって話」

太田「最低だ。お前。最低最低。人としてどうかと思うよ全く」

川奈「少なくともアンタに最低なんて言われたくないけど」

隠岐「で、外に停めてあった3台はお前等のか?」

直人「ああ。S15が俺ので、インプが優幸、涼子がS2000だ」

太田「結局走り屋になったんだな。まぁ俺らもだけどよ。うへへ」

優幸「何乗ってんだ?」

太田「俺が黄色いRX-8で隠岐は黒いFD。REはいいぜー」

店員「ツナサンドとカフェオレ、コーヒーです」

太田「ありがとっ!」

隠岐「ところで、3人とも何しにここに来たんだ?」

彼はそう言ってコーヒーを飲む。

太田「分かった。あれだろー。涼子の彼氏を決めに来たんだ」

川奈「違うわよ、そんな事すると思う?」

彼女は鋭く言い返した。

太田「あ、もう彼氏ならとっくにいるってか。そーですか。で、何人目だ?」

川奈「うるさい」

直人「本当はあれだ。のんびり話すとかそんな感じらしいよ」

優幸「実際のんびりでもねぇけどな」

直人「ところで、そっちも走り屋なんだろ。バトルしねぇか?」

隠岐「俺等とか?」

第30話へ続く。



第30話「Battle Start!」

直人「バトル、引き受けてくれるか?」

隠岐「そうだな俺は別に良いが…」

そう言い掛けた時、太田は言った。

太田「あったりめーだ。受けない訳がねーだろ!」

隠岐「で、誰が走るんだ?」

優幸「5人だよな…どうすっか」

川奈「あたしはスターターでも別にいいけどね」

直人「じゃあこうしよう。俺と優幸、太田と隠岐で2人1組のチームを作る。そのうち2人がまず登りで勝負、先に頂上についたチームの下り走者は、チームの登り走者が通過したらすぐにスタートして下りでバトル。涼子は下でスターターを…どうだ?」

太田「なるほど、お前にしちゃそれは名案だ」

直人「一言一言余分だ。黙れお前」

太田「俺が黙ると思ったかバーカ」

隠岐「とりあえずバトルは受ける」

優幸「俺も受けるぜ」

川奈「決まりね」

直人「よし、それじゃあそれぞれのチームの登りと下りのドライバーを決めよう」

優幸「直人、俺に登りやらせてくれ。下りは任せたぜ」

直人「ああ。そっちは?」

太田「俺が下りで隠岐が登りだ。直人、お前には勝ってやるぜ」

直人「分かった。それじゃあ早速行こう」

彼等は食事を終え、店を出て行った。


数分後、静岡峠麓。

川奈の携帯が鳴る。

直人『涼子、こっちは準備オーケーだ。いつでも始めてくれ』

川奈「分かったわ」

川奈「いつでもオーケーだって。始めるよ!」

優幸「よし来た」

2人はそれぞれの車に乗り、エンジンをかける。

13BとEJ20のエキゾーストが響く。

川奈「いくよ!5…4…3…2…1…GO!」

彼女の腕が振り下ろされると同時に、2台が静岡峠の頂上を目指して走り出した!

黒いFDと青いGC8、勝利を手にするのはどっちだ!?

第31話へ続く。



第31話「ヒルクライム」

スタートで前に出たのは優幸のGC8。

優幸「よーし、頭貰ったぜ」

隠岐「前に出られることは分かっていた。それにお前が前に出てくれたのはこっちにとって好都合だぜ」

2台がグリップでコーナーを駆け抜ける。

トンネルも抜け、高速セクション。

隠岐「全開にすればここで追いつくことは可能だが、まだ我慢だ。仕掛けるのは弱点を見切ってからだ」

2台が高速コーナーを駆け抜けていく。

優幸「詰められちゃいねぇ。けど気は抜けないな」

そして右ヘアピン。ブレーキングに入る優幸。

隠岐「なるほど」

それを追うように隠岐も減速してグリップでコーナーを抜けていく。

2連続ヘアピンを抜けた2台はその先の右ヘアピンをクリアし、切り返し区間に入る。

隠岐「お前の弱点はそこだったか…ならば、あそこで抜くとしようか」

切り返しを抜けたところでバックミラーをちらりと確認する優幸。

優幸「何も仕掛けてこねぇ…?そんな訳無いよな…怪しい感じだ」

ヘアピンを2つ抜けてストレートに入る2台。

隠岐「さて、ここらから全開だ。お前に勝つためのシナリオはもう組んであるんだぜ」

甲高いロータリーサウンドを響かせながら優幸のインプを追うFD。

その次の直角コーナーにドリフトで飛び込んでいく隠岐。

やがて左ヘアピンを抜け、ストレート。

ジャンピングスポットを超え、隠岐がパワーの差で一気に差を詰める。

優幸「何!?コイツ何を!?」

隠岐「お前の弱点の一つは高回転の伸び。そしてもう一つは…」

アウト側からブレーキングに入る優幸のインに滑り込んでくる隠岐!

隠岐「…高速域からのブレーキングだ」

優幸が姿勢を崩してアンダーを出す。そのインを悠々と抜けていった隠岐。

立ち上がりでFDが車体半分ほどインプレッサの前に出た。

優幸「チッ!だが次は右ヘアピン、インは俺!まだ諦めねぇぞ!」

2台のテールランプが同時に光る。

そしてほぼ同時に赤いブレーキランプは消え、旋回に入る。

FDが外からドリフト、GC8はインベタグリップ。

しかし、そこで優幸のインプレッサがアンダーを出し、フロントが外に流れる!

優幸「ヤベッ!」

GC8の左フロントが、FDの右リアに軽く接触する。

隠岐「…」

しかし隠岐は冷静にカウンターステアとアクセルワークで対応、何事も無かったかのように切り抜けて優幸の前に出た。

優幸「マジかよっ…」

隠岐「さて、俺の全力について来られるか?」

第32話へ続く。



第32話「Turn」

優幸「クソッ、抜かれた…けど離されないように食らいつけば!」

低速セクションを駆け上がっていく2台。

しかし、FDとGC8の差は少しずつ開いていく。

優幸「何で…何で追いつけないんだっ!」

やがて隠岐のFDが低速セクションを抜け、橋のコーナーへ飛び込む!


頂上。

直人「もうすぐそこまで来てるみたいだ…どっちが先なんだろうな」

太田「バーカ、隠岐に決まってんだろ」

直人「何で分かんだよ」

太田「俺の直感は絶対外れねーの。分かる?それより、そろそろ車乗って準備したほうがいいだろ」

直人「だな」

2人は車に乗り、エンジンをかけた。

暫くすると1台のエキゾーストが近づいてきた。

第一コーナーの方を見ると登ってくる車のヘッドライトが見えた。

直人(どっちだ…?)

甲高い音を響かせながら2台の目の前を通過したのは隠岐のFD。

太田「よっしゃ来たぜ、俺の時間だ!!」

彼は勢い良く麓目指して走り出した。

直人「まだか…優幸!」

すると、優幸のインプレッサが上がってきて直人の目の前を通過した。

それを確認すると、直人は太田を追って走り出した。

直人「任せろ優幸。ここは絶対に勝つ!」

4速から2速にシフトダウンし、ドリフトでコーナーに突っ込む。

直人「さっき見た限りでは、差は大体4秒前後ってトコか…この差をどこで縮められるか、それが勝負だな」

ヒールアンドトーで回転数を合わせて右ヘアピンをクリアする。

その頃、低速シケインを抜けた太田がバックミラーを確認する。

太田「まだアイツは来てねぇ…だが、何処で縮めてくるか分からねーな。ここは本気でやらせてもらう!」

橋のコーナーを浅い角度のドリフトでクリアしていく太田。


頂上。

優幸と隠岐はそれぞれの車にもたれていた。

優幸「しかしお前速いな…隠岐」

隠岐「そうか?言っとくが、下りじゃ太田の狂いようはヤバいぜ」

優幸「そうなのか?」

隠岐「まぁな。アイツは直感だけで攻めてるようなモンだ。普通の人間は得た情報を脳に送って、そこから手足に命令を出して動かす」

優幸「普通そうだよな」

隠岐「だがアイツは違う。得た情報を脳に送る前にまず手足に送って動かしてるからな。車で言えばターボラグが無いNAみたいなモンだ」

優幸「無駄が無いって事か…そりゃ厄介だ」

隠岐「それだけじゃねぇ。アイツの乗ってるRX-8もNA。つまり車の方も無駄がねーんだよ。もうすぐ低速区間に入るはずだ。そうなればこっちが有利になる。低速区間じゃパワーよりもレスポンスが大事だからな」

優幸「…まぁ、直人も俺の期待を裏切る奴じゃない。まだお前等が勝った事にはならねぇぜ」

隠岐「それくらい分かってる。後先考えない太田と一緒にすんな」

第33話へ続く。



第33話「Intuition」

低速セクションに入った太田のRX-8。

4秒ほど離された直人のS15もそれを追う様にヘアピンに飛び込む。

直人「さっきからアイツのタイヤスモークは見えるんだがな…車がなかなか見えないぜ」

低速切り返しを抜け、左ヘアピンもドリフトでクリア。

そして右ヘアピンを抜けたその時!

直人「…見えたっ!」

前方の左ヘアピンに飛び込もうとしていくRX-8のテールランプがS15のフロントスクリーンに映った。

直人「差は縮まってるみたいだ…3秒前後ってトコか?この調子でもっと差を詰めるか!」

やがて2台は低速セクション終盤に差し掛かる。

ここで太田はちらりとバックミラーを見た。

太田「直人の奴、結構差を縮めてきやがったな…まぁ接戦になればなるほど、熱くなれるって事だぜ!」

彼はアクセルベタ踏みで高速コーナーを抜け、2連続ヘアピンに飛び込んでいく!

直人「もうすぐストレート…ターボのパワーで差を詰められるチャンスだ」

2つ目のヘアピンを立ち上がり重視のラインで抜け、ストレートに持ち込む。

ターボ音を響かせながら加速していく直人のS15。

太田「パワーではこっちが負けてるらしい…けどコーナーじゃ負けないぜ!」

ジャンピングスポットを超え、右ヘアピン。

ここで直人と太田との差は車1台分ほどにまで縮まる。

直人「捕らえたぜ…覚悟しろ、太田!」

角度の浅いドリフトで前を走るRX-8を追う。

直角コーナーを2つクリアしてストレート。

4速から2速にシフトダウンし、ヘアピンに飛び込む2台。

次々と迫るコーナーを、直感だけを頼りに攻めていく太田。

直人「それにしても何なんだ…アイツの動き、予想できないぜ」

2人は高速切り返しを抜けていく。

太田「やっべー、タイヤがやべぇ。けどこんぐらいなら行けるか!お前には勝たせねーよ!」

ヘアピンを猛スピードでクリアしていった。

その先のストレートで直人が太田に食らいつく。

2人とも、グリップ力の低下によって今にも暴れそうなマシンを抑え込んで2連続ヘアピンをクリア。

高速セクションに突入。もうゴールは近い。

直人「それにしても、なかなかしぶといっつーか、隙が無いな。こんだけプレッシャーかけても抜かせないのか!」

太田「うへへ…俺はそれでミスるほど甘くねぇぞ…意地でも抜かせずに走りきってやるぜ!」

2台はゴールへと近づいていく。

直人「クソッ、どうするか…もう時間が無い!」

そしてトンネルに入る2台。そこで直人があることを思いつく。

直人「成功するか分からんが、とにかくやるしかない!チャンスはここだけだ!」

不意に直人が右側から左側に移動。それを見た太田も抜かせまいと左へ車線を変える。

直人「よし、今だ!」

太田が左へ移動するのとほぼ同時に、直人は左から右へ移動する。

2台がストレート上でクロスし、右側に直人が並んでくる!

太田「はーっ!?何それ!?」

直人「ここで…決めてやるぜ。俺とお前でどっちが速いのかをな!!」

RX-8とS15が並んだ状態で右コーナーに迫る。

そして同時に2台のブレーキランプが光り、赤い残像を後ろに飛ばしていく。

直人がイン、太田がアウト、果たして勝負の行方は―!?

第34話へ続く。



第34話「The winner is…」

2台のブレーキランプが消え、コーナーへ。

アウト側の太田がインに寄せていく。

しかし、少し寄せすぎたらしい。

直人のS15の左フロントに軽く接触。わずかな反動でアウトに膨らむ太田。

太田「うひゃっ!」

何とか抑え込むものの、その隙に直人が車体半分前に出る。

直人「よし、終わらす!」

高速S字をクリアし、直人が外からドリフトで太田のラインを塞いで最終コーナーを立ち上がっていく!


麓。

川奈「来た…どっち!?」

先に彼女の目の前を通過したのはシルバーのS15。直人だ。

川奈「やった!直人の勝ち!」

ゴールした2台がPAに入り、それぞれのドライバーが車から降りると、優幸と隠岐も頂上から降りてきた。

隠岐「で、どっちが勝った?」

直人「俺の勝ちだった。危なかったけどな」

川奈「頑張ったじゃん、直人」

太田「うわー、直人にデレてるー」

彼は川奈を馬鹿にするように言った。

川奈「違う!」

隠岐「それにしてもお前等速いな。さすがVICTORYのメンバーというか、涼子の走りも気になるな」

川奈「何?あたしとやるの?今からでもいいけど」

隠岐「いや、こんなタイヤでやっても負けるだけだ。また次の機会だな」

太田「俺らもそれまでにウデあげまくるぜ。うへへ!」

直人「そうか。俺も負けねーぜ」

太田「んじゃ、俺ら帰るわ。じゃなっ!」

2台のロータリーマシンはパーキングを出て行った。

すると優幸がにやにや笑いながら小声で直人に言った。

優幸「涼子の奴、意識してるぜ。お前の事」

直人「んな訳ねーだろ。帰るぞもう」

第6章へ続く。


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